大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1305 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人森茂の上告趣意第一点について。

被告人の自白の外に他の証拠をも綜合して犯罪事実を認定した場合には、たとえ

犯罪事実の一部分の認定については被告人の自白以外に他の証拠がないとしてもこ

れをもつて犯罪事実を被告人の自白のみによつて認定したものと言い得ないことは、

当裁判所大法廷判決の示すところである(昭和二二年(れ)一五三号同二三年六月

九日判決、昭和二三年(れ)一四二六号同二四年一〇月五日判決)。それゆえ、被

告人の供述の外にその挙示する他の証拠をも綜合して犯罪事実を認定した第一審判

決は憲法三八条三項に違反するものでないこと前記大法廷判決に徴し明らかであり、

第一審判決を是認した原判決にも違憲はない。所論は事実審の自由裁量に属する証

拠の取捨判断を非難するに帰着し理由がない。

同第二点について。

原判決の是認した第一審判決は、その挙示する証拠によつて被告人が農地委員選

挙の期日の後当選に関し選挙人に挨拶する目的で判示のように集会を開催した事実

を認定しているのである。論旨は被告人に当選挨拶の目的がなかつたことを前提と

して憲法二一条一項の違反を主張するに外ならないのであるから、その前提を欠く

ことにより問題とならない。

よつて、本件上告を理由ないものと認め刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致し

た意見により主文のとおり判決する。

昭和二六年七月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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